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知床岬へ行ってきました

メンバー:ヒロツ(個人山行)


昨年の夏のことになりますが、どこへ行っても暑いのでみなさん高いところに行かれますが、私は海抜ゼロの海岸線を歩いて知床岬(知床半島先端)に行ってきました。

海抜ゼロといっても、ここは北海道の道東の端っこ。真夏でも平均気温が17℃しかなく、毎日どんより雲…なかなかヘビーな山行(浜行?)になりました。


知床岬の上陸は動力船では禁止されていてるので、海からカヤックで上陸するか、あるいは浜辺を歩いていくか、また知床峠から稜線つたって向かうしか選択肢はありません。

カヤックの場合は、夏は北風が強いので半島東側の羅臼からピストンは不可なのでウトロから出発しないといけません。また、登山の場合は稜線は0℃近く風も強く低体温症の心配があります。そして、ひたすら藪漕ぎになってしまいます。


というわけで、今回は岸から挑戦してみました。


まずは情報収集のため羅臼の「ルサフィールドパーク」へ。

ここでは自然公園のこと、そして環境保全のためのルールを学べるところです。

一番知りたいのはやはりヒグマのことです。熊スプレーの使い方を完全にマスターすることができました!

ヒグマは最高時速60kmで襲ってきますから50m離れていても5秒以内に熊スプレーを構えてトリガーを引かないといけません。

本当にクマは可愛いですね。知床岬に行きたいというよりも、野生のヒグマに会いたいから挑戦したのかもしれません。ちなみに私のように太った男性にはLINEでクマのスタンプを送ると喜ばれます。


というわけで、羅臼から北にある相泊港から準備万端でスタートしましたが、いきなり難所です。板一枚でもあるだけ感謝ですね。


はじめの目的地、観音岩に近づいてきました。海岸線沿いの崖から進みます。


どうしても海に入らないと乗り越えることができない箇所が出てきたので、さっそくサワタビを装備。下半身ずぶ濡れになって苦労して抜けたのに、高巻き(登って超える)の道が出現してびっくり。まぁ、いろいろあるほうが冒険だからいいよね。


ソールが柔らかいので岩の上を歩くには痛むので、サワーサンダル持ってきた方がよかったかな。ファイントラックの撥水タイツは抜けがよくて快適でした。


昆布といえば羅臼昆布というわけで足元には昆布が散乱しててヌメヌメてるので、何度が滑りそうになる。これ一枚、本土にもっていったら数千円だからねぇ(持ち帰ったらダメですよ)。あたり一面、海水と昆布の香りが充満してました。


そうこうしてるうちに、ヒグマちゃんと初対面です。知床半島はヒグマの人口密度(熊口密度?)が世界一高いようで、遭遇確率がとても高い。近づいて仲良くなりたい気持ちを抑えて遠くから眺めていると、崖を登って消えていってしまいました。


ちなみに、これがヒグマの足跡です。クランポンみたいな鋭い爪で急峻な崖を簡単に上り下りできるようです。

海岸にクジラやトドの死体が流れつくと、ヒグマちゃんは大喜びで10日ぐらい通うようになるので、そうなると危険なので、完全に通行止めになるようです。


しばらくはヒグマちゃんには会えず、ひたすら海岸線を歩き…


ここは帰りに高波をかぶってしまったトッカリ瀬というところです。


岩の間を抜けたりと…


そして、崖をへつり… 慣れてきますが、なかなかしんどい。


こんな大自然に囲まれてるのに、うつむいちゃ勿体ないですよね。


世界遺産で自然公園なので登山道は整備されてませんが、ところどころ残置ロープがあります。安全面ちょっと心配なんですけどね。

海岸線より高巻きの方が確実なんですが、ほとんど獣道でどれが正しい道かわかりません。地形図コンパスとにらめっこが続きます。


剣岩へ抜かうところですが、しばらく濡れそうなのでサワタビに履き替えました。干潮時でこの潮位です。満潮のときは泳いで渡るしかありません。事前に満干の時刻を調べておくことを強く勧めます。


絶景を振り返り、一日よく歩きました。


やっとの想いでキャンプ地へ到着しました。晩御飯はお湯を入れるだけのモンベルのリゾッタとカップヌードルのリフィルです。焼いたり煮たりすると美味しそうな臭いにつられてヒグマが近づいてきますからね。会いたいけど。


翌朝はいきなり難所の近藤ヶ淵です。海ポチャギリギリの崖をへつります。


そして、ひたすら登る。


そしてかきわけて道なき道を進みます。


山を越えると、また海岸へ。ちゃんと整備された登山道の有難みがよくわかる。


ところどころ昆布漁のための番屋(夏季休業)が点在しています。


最大の難所、カブト岩を登り切りました!

が、これからが本当の難所でした。


急斜面を下るんですが、岩場ではなく土なので掴むところもなければ足で踏ん張るところもありません。というわけでザイルを装備。


苦労して斜面を降りたら、そこにご褒美!と言わんばかりのヒグマちゃんが待ってました!

これぐらい離れてたらとりあえずは大丈夫。

基本ヒグマは人間を怖がるので近づいてくることはありませんが、注意しなければならないのが岩場を抜けた先でヒグマと鉢合わせするパターンです。なので見通しが悪いところでは音を鳴らすなどして人間が居ることをアピールしないといけません。あとは子連れの母熊は警戒心が強いので、なるべく距離を置いて避けなければなりません。


しばらく海岸線を歩くと灯台が見えました!あともう少し!


最後の最後でヒグマの親子がやってきたので、斜面を登って避けます。しかし、本当にかわいいです。かわいい。


斜面を登り切ると、そこには美しい草原が広がってました。


そして、ゴール!

汗なのか雨なのか海水なのか、どろどろになりながら辿り着いた岬の先っぽには何もありませんでした。何もないのがよかった。


ただただ幸せな人生を送ってるという実感のみです。


この感動を胸に秘めて、元来た道を戻ります。


本日のキャンプ地はコチラ。滝がみえてリゾート感ある場所にしました。

夜は寒いので、焚火したいところですが自然公園なので、我慢。仕方ありません。


飲み水はエキノコックスが心配なので、沢の水をこれで浄水します。なかなか力が要ります。


そして翌朝、最終日です。海岸線をへつります。疲労が溜まってきてます。


行きは簡単に渡れたトッカリ瀬は干満のタイミングを失敗したので水位が上がってて高波をかぶって全身びっしょり。

ちなみに、ここでちょうど一年前に大学生が高波にさらわれて亡くなったそうです。今日よりだいぶコンディションの悪い日だったそうですが、本当に気を付けないといけません。


天気が悪く小雨が降り、いつもより気温が低く休憩すると冷えるのでひたすら歩きます。


やっとスタート地点の相泊に着きました。おつかれさま! 寒すぎたのでクルマの暖房をガンガンに焚いて、温泉に行ったので写真はありません。 北海道を旅行する前に「ゴールデンカムイ」を一読することをおすすめします!


二泊三日の大冒険は、驚きの連続でした。


登山では天気予報の確認が重要ですが海のことも知らないといけません。波やうねりの高い日は挑戦できないし、潮の干満のタイミングにあわせた計画を立てないといけません。


また自然動物の楽園ですから、ヒグマちゃんのお庭にお邪魔させていただくような敬意を持って岬を目指して欲しいなと思います。


ここは日本有数の秘境と言われるところです。ワクワクとド根性で挑戦してみてください。


長文失礼しました。

ヒロツ アツシ

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