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2019.08.23~25剱岳八ツ峰Dフェース Eps-2

夜中、テントに雨が当たる音が聞こえる。

でも身体は疲れているため外を確認しに行く元気なし。

「Dフェース濡れてたら無理かなぁ」

途切れる意識の中で考えてました。


翌日24日午前4時起床

眠り始めは雨音などでいろいろ考えてましたが、一度落ちると朝まで一切起きることなく熟睡でした。

外からは雨音はしません。



曇ってはいますが、雨は無し。

薄っすら朝日も見えてます。

テントの周りの石も乾いてる。

「いける!!」


Dフェースの頭に若干ガスがかかっていますが大丈夫そう。

朝食を済ませ、登攀準備をします。


この時点でも熊の岩は貸切り、長次郎谷を登ってくる人影無し。

「もしかして八ツ峰二人占め?」

気持ちよくクライミングができそうです。


Dフェースへの取付きは、手前に若干の雪渓が残っているだけ。

長次郎谷の雪渓をトラバースするとあとはガレ場を登ります。

このガレ場がまた登りにくい。

こんなサイズがって言う大きさの岩も動きます。

時間を掛けて慎重に進みます。



ゆっくり準備したのと途中忘れ物を取りに戻ったのとで取付き到着は6:40

ルーファイしながら準備をして、登り始めが7:00でした。



【1ピッチ目】25m Ⅳ+ リード正垣

階段状の岩を登ってフェースから上部のルンゼへ進みます。

このフェース、若干バランシーで残置ハーケンまでの距離もありルートを色々迷いました。隣の久留米大ルートに行きそうになりながら、無事終了点に。



【2ピッチ目】20m Ⅳ リード野村

凹角沿いからハング横でピッチを切るルート。

以外に残置ハーケンが少なく支点のピッチが飛びます。

ハング横に終了点が見いだせず、進んだところで終了。

トポとの距離感に疑問を感じる。


【3ピッチ目】40m Ⅳ+ リード正垣

凹角状のフェースを直上するルート。

Dフェースで一番落石の危険を感じたピッチ。

どこを触っても動く。

やっと見つけた終了点、リングボルト3つ。

足場が小さく、その足元の岩も動く。

こんなところでビレイ出来ない。

少し下の小さいテラスに移動。

なんとそこに終了点発見。


【4ピッチ目】30m Ⅳ+ リード野村

カンテを越えてバンドを左上するルート。

明確な終了点が分からず、立木を使いながら終了点を構築。

若干、短く切ったかも。


【5ピッチ目】30m Ⅳ リード正垣

リッジを登るルート。

これまでと違い、安定した岩でフリクションもバッチリ。

ただ30m程登ったところに終了点を見つけられず、あと10m程登る。

広いテラスで終了点を構築。

残置ハーケンが心もとなく、ナッツで補強。

このテラスは日当たりもよく気持ち良かった~。

しばし休憩。


【6ピッチ目】30m Ⅱ リード野村

5ピッチ目と同様リッジを登るルート。

登りに関しては特に問題なし。

ただ最終ピッチのはずがロープをそれなりに伸ばしても頭に届かず、安定したところでピッチを切る。

どうもトポと距離感が違っている。


【7ピッチ目】コンテ

6ピッチ目終了点から15mほどコンテで登ってDフェースの頭に到着。

登頂時刻は12:15

登攀時間3~4時間のところ5時間を超えてしまいました。

でもルーファイも問題なく、安全に登頂できたのでOKでしょう。

Dフェースの頭からは剱岳本峰がきれいに見え、貸切りの八ツ峰に大満足です。


さぁ下山です。

ここからⅤⅥのコルへの下降が一番の核心かも。

数年前に八ツ峰に来た先輩方もこの下降で苦労されています。

その時はガスによる視界不良のようでしたが、今回はクリアな視界。

踏み跡をAフェースに向けて右へ右へと進みます。

出た。

間違えやすい下降点。

ここを懸垂するとⅤⅥのコルの反対側へ降りてしまいます。

偽下降点の手前を下り、さらに先へ。

Aフェース手前に下降点を発見。

残置だけでは不安なため、捨て縄を補強。

ここから懸垂下降です。


ガレガレな懸垂終了点からトラバースしてⅤⅥのコルへ。

あとはA~Cのフェース沿いにガレ場を下り、長次郎谷雪渓をトラバースして熊の岩に14:30無事帰還。

2年越しの計画の完成です。

沢で冷やしたビールと日本酒で乾杯。

達成感からか、安堵感からか、この日のアルコールは回りが早かった~。

あとは室堂までの下山のみ。

昨日の苦しさを思い出し、明日室堂までたどり着けるか不安になりながら就寝。

最終バスに間に合うか?!


・・・・続く。


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